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STAFF BLOG赤井澤 剛のブログ

東南アジア編 第3話 ラオス「大きく目の細かい虫網でありたい」(アカイザワ)

タイから60時間以上かけメコン川を船で降りラオスを目指した。

なかなか選択しないルートだったため日本人に会うとは思っていなかったがここでも私は素敵な出会いに恵まれた。

ボロく小さく椅子の硬い船に乗り込む。エンジン音が不快なほど鼓膜を揺らす。

やることがない。うるさい。ご飯もない。ケツ痛い。でもただ船に乗って大して変わらない景色をたのしむのもまたよかった。

 

しばらくボーとしていると一人の人が声をかけてきた。

 

彼は僕の26歳上のおじさんだった。彼のことを今は『むぎっち』と呼んでいる。帰国してからも連絡を取り合う友人だ。

 

彼は仕事を早期退職しはじめて一人旅にでたとのことだった。

そこからはたくさん話をした。くだらないことも深いことも何でもかんでも話した。

 

旅で出会う人たちはなんでも自然体で話すことができる。これは不思議で、旅ではなく旅行をしている人とは腹を割った話はなかなかできなかったりする。

 

まだまだ旅を語る資格はないが、脱力し、ニュートラルな人ほど旅を感じさせてくれる。

 

むぎっちとビールを飲みながら退屈な時間を過ごす。そしてようやくラオスに着いた。

 

着いてみたらなんとここも何もないもないがある地だった。

 

20代の私にはわからなかったが、むぎっちがいうにはとても懐かしさを感じさせてくれる心地のいい場所だという。どこか昭和真っ只中の空気に似ていたらしい。

少しバスで移動するととても綺麗な泳げる泉があり泳いだりしたが、やはりこういったところには観光客が多くどこか綺麗だが合わなかった。だがここは間違いなく綺麗だった。

 

結果着いて1日目だけあたりを見て回りその日以降は基本的に朝からむぎっちとウイスキーを飲み、昼からビールを飲み夜もそれらを飲んでいた。

 

話せば話すほど本質に近ずいていく。

お互いの価値感を投げ合う時間が非常に好きだ。

むぎっちは私よりもはるかに歳上なのになぜか敬語で私の価値観を引き出していく。そして吸収していった。

一緒にいてそこが彼のとても素敵なところだと感じた。

 

ある日彼をみて私はふと虫網を思い浮かべた。

 

小さい頃は小さくも目の細かい虫網でいろんな経験や感性を拾い上げっていた。

成長するにつれ行動範囲も広がり虫網の口も広くなっていく、しかしそれと同時に、網目も広がりこぼれ落ちていくものが出てくる。

 

さらに歳を重ねると大きくなりきった網は網目だけ大きくしていく。

 

こんなことをイメージしていた。

この人は網も大きければ目も細かいなと。自分も歳を重ねても、大きく目の細かい虫網を持ちたいと思った。

 

年齢は数字にしか過ぎない。大切なのはどんな経験をしどのように考え行動するか。

年齢が上なら経験値が上なのか。それは一概に言えなくて若くても人が経験していないことを多く経験している人もいる。

『経験』自体、人それぞれの視点、考え、環境、タイミングetcからなるものだから上か下かあるはずがない。要は種類が違いすぎるので比べられるものではないのだと思う。

 

確かに私は人があまり経験していないことをしたかもしれないが、それは全くもって人に上から語れる経験ではない。価値観の話をするとき、内容をより深くするツールにすぎない。

歳『下』という言葉にも違和感を覚えるが、私はひとりの人間として『自分が経験したことのない経験をしている人』から感性のいいとこ取りをできたらいいなと思っている。

つまり自分以外の人間すべてからだ。

旅で出会った人と深く話し感じた。

いろんなものに触れ感性を刺激しつづけている人間は、面白く、深い。

こんな内容を書いてる自分を客観視して「何を偉そうに価値観語ってんだよ」と心の中で自分を鼻で笑っている自分もまた一興だと感じている。

2019.07.10|スタイリスト

赤井澤 剛

スタイリスト
仙台市生まれ。山、風景写真、キャンプ、自転車、温泉巡り、雑誌集め、読書、行ったことないところ巡り、動物
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